wxWidgetsをソースからビルドする

wxWidgetsaptを使って導入することもできますが、aptで入るのはバージョン3.0.4です(2022年3月時点)。 ネットの記事ではバージョン3.1.0以降の機能を使っていることが多いため、ソースからビルドします。

環境

Ubuntu 20.04

準備

必要なライブラリをインストールします。

apt build-depを実行するための準備

必要なライブラリをインストールするためにapt build-depを実行しますが、デフォルトの状態ではエラーが出ます。 そこでエラーが出ないように設定します。

  1. デスクトップ画面左上のアクティビティをクリックし、software-properties-gtkを検索します。
  2. ソフトウェアとアップデートが見つかるので、ソフトウェアとアップデートを起動します。

    おそらく、文字が見切れていると思います。 ソフトウェアと...と書かれたAのアイコンをクリックしてください。

  3. Ubuntuのソフトウェアインターネットからダウンロードソースコードチェックボックスをクリックします。

  4. パスワードの入力を求められるので、パスワードを入力します。
  5. 閉じるをクリックします。
  6. 利用可能なソフトウェアの情報が古くなっていますと言われるので再読込をクリックします。

CLIでやりたい方は以下を参照してください。

apt - Error :: You must put some 'source' URIs in your sources.list - Ask Ubuntu

準備(続き)

端末を開いて、必要なライブラリをインストールします。

$ sudo apt-get build-dep wxwidgets3.0

ソースコードを取得してビルドしてインストール

適当な場所にwxWidgetsをダウンロードします。 以下の例では~/dev/以下にwxWidgets 3.1.5をダウンロードしています。

$ cd ~/dev/
$ wget https://github.com/wxWidgets/wxWidgets/releases/download/v3.1.5/wxWidgets-3.1.5.tar.bz2

解凍します。

$ tar -xvf wxWidgets-3.1.5.tar.bz2

ビルドしてインストールします。

$ cd wxWidgets-3.1.5/
$ mkdir build_gtk
$ cd build_gtk/
$ ../configure --with-gtk
$ make -j4
$ sudo make install
$ sudo ldconfig

確認

インストールできたか確認します。

$ wx-config --version
3.1.5

サンプルのビルド

以下はオプションです。

wxWidgetsを学ぶ際に、サンプルが役に立つのでそれもビルドします。

注意:samplesディレクトリは2つあります。

  • ~/dev/wxWidgets-3.1.5/samples/
  • ~/dev/wxWidgets-3.1.5/build_gtk/samples/

後者のディレクトリ(ビルドするときに作成したディレクトリ)が目的のディレクトリです。 間違えないように気を付けましょう。

$ cd ~/dev/wxWidgets-3.1.5/build_gtk/samples/
$ make -j4

ビルドできたか確認します。

$ cd minimal/
$ ./minimal